Up DNA/RNA の出現 : 要旨 作成: 2017-10-17
更新: 2017-10-17


    DNA/RNA は,生物の不思議の最たるもの──と感じられるもの──である。
    それは「プログラム&マシン」を思わせ,いかにも設計して成ったものように思われるからである。
    これが自ずと出来上がるとはとても思えない,というわけである。

    しかし逆に,つくろうと思ってできるようなものではない。
    そして,現に有るのだから,どうしようもない。
    「自ずと出来上がる」を考えるしかない。

    実際,考えられることは,ほとんど一意決定 uniquely determined である。
    それは,「セントラルドグマ」の逆を行くということである。


    「セントラルドグマ」は,「遺伝情報発現の原理」の謂である。
    遺伝情報の発現とは,つぎのプロセスである:
      DNA →(転写)→ mRNA →(翻訳)→ タンパク質
    ここで「転写」は,つぎが内容である:
      DNAの遺伝情報は mRNA に転写される。
    「翻訳」は,つぎが内容である:
      アミノ酸を乗せた tRNA が,mRNA の3つずつの塩基配列 (コドン) に対応して結合する。
      この結合によりアミノ酸が繋がって,ペプチドができる。

    これを逆にすると,「DNA 出現の原理」になる:
      ペプチドがある。
      ペプチドを構成するアミノ酸それぞれに,3つの塩基配列が結合する。
      この結合により塩基配列が繋がる。
      繋がった塩基配列が,ペプチドから離れる。
      こうしてできた塩基配列鎖が,さらに繋がる。
    ここで,「結合」「繋がる」「離れる」は,物質間の引力・斥力の効果である。
    これは,物理学・化学が説明するところとなる。