Up 素材物質の出現 : 要旨 作成: 2017-10-15
更新: 2017-10-15


    生命体の出現の説に,「化学進化説」というのがある。
    これは,「無機物 → 有機物 → 生命」の順序を立てる。

    この説では,「無機物 → 有機物」の可能性が先決問題になる。
    ここで,「無機物 → 有機物」は「無機物 → 低分子有機物 → 高分子有機物」にされる。
    こうして実証実験研究が取り組まれ,有名なものに「ユーリー・ミラーの実験」がある。
    しかし,「無機物 → 低分子有機物 → 高分子有機物」は,要素還元主義の発想である。

    創成期の地球の<高エネルギーの塊>の様は,小さな実験装置の比ではない。
    その中では,組み合わせ的に可能な化合物は,すべて実現する。
    無機物,低分子有機物,高分子有機物と分けて考えることは,まったく意味がないことである。

    実証実験研究の成果がはかばかしくない理由は単純で,<高エネルギーの塊>が実現できるものではないからである。
    これは,実験室の非力というより,自然の力と相対させたときの人の非力というものである。