Up <個>の措定は, 「動物」から可能になる 作成: 2018-04-30
更新: 2018-04-30


    個が措定できる生物は,動物である。

    植物では,つぎのことが,個の画定を不可能/無意味にする:
    • 不定形
    • 栄養繁殖──ひこばえ繁殖や根茎繁殖
    翻って,「動物」には,「定形」「栄養繁殖しない」の含蓄があるわけである。


    動物を植物から区別するものは,文字通り<動く>である。
    この<動く>は,生物一般の<カラダのシフト>とは区別される。

    生物は,自己組織化する系である。
    生物一般の<カラダのシフト>は,<自己組織化>の一内容である。

    <動く>は,自己組織化のダイナミクスでは実現されない。
    <動く>を実現するのは,中枢からの命令である。
    翻って,動物とは,中枢の指揮系統をもつ生物種のことである。
    この「中枢」を「脳」と呼ぶ。
    よって,動物とは,脳をもつ生物のことである。
    ただし,<脳をもつ>は生物進化の中に現れてくるものであるから,これは<脳をもたない>から<明確に脳をもつ>までのグラデーションになる。


    脳の命令を以て動く動物は,定形になる。
    脳の命令は,組織の一定形を想定して成り立つものだからである。
     Cf.  コンピュータの機械プログラムは,ハードウェアの一定形を想定する。
    CPU やメモリ構成等々が不定のハードウェアに対し,プログラムは立たない。
    動物は,栄養繁殖しない。
    脳の配分ができないからである。


    ひとが植物に<個>を感じるのは,錯覚である。
    「アニミズム」が,この錯覚のタイプである。

    「アニミズム」とは何か。
    ひとは,自己組織化する系に対すると,知性を感じる。
    自己組織化の巧妙さ・不思議さに原因を求め,それを知性とするのである。
    そして,その自己組織化する系を,知性を持った個にする。
    さらに,この存在が自分の生活にとって重要な存在であるときには,神にする。
    こうして,太陽が神になり,大きな山や川が神になる。
    大木には木霊が存することになり,大きな岩にも霊が存することになる。

    アニミズムは,科学の時代にも頑健に残る。
    小学校で「水を褒めたらおいしくなる」が教えられたこともあったくらいである。