Up | 「薄めれば安全」パラダイム | 作成: 2023-07-22 更新: 2023-07-22 |
この二つは,都合で使い分けられる。 状況・立場・思考回路の違いでその都度使い分けられるパラダイム,というわけである。 「CO2排出」は,いまは「脱炭素」が商売になるので,総量パラダイムが用いられる。 福島第一原発の核崩壊物質汚染水は,貯蔵が限界で海に放出するしかないので,濃度パラダイムが用いられる。 他の国がこれをやったら,総量パラダイムで批判することになる。 もっとも,都合とはいえ「薄めているから安全」を使うのは,パンドラの箱を開けるみたいなことにはなる。 「あれは何だっとのか?!」になるからである。 昔は,工場排水は,そのまま川や海に流していた。 工場排気は,そのまま大気中に放出していた。 実際,だいたいのことは「薄まるから安全」になってくれる。 ──生態系に被害はあるが,ひとにとって「被害」は,「見えなければ被害はない」というものである。 そして今も,汚染事故を起こしてしまったときは,「薄まっているから安全」を使うことになる。 ただし,農林水産の 「汚染されていない」にしなけらばならない。 このとき使われることばが,「風評被害」である。 実際は「汚染されていても薄いので安全」なのであるが,ひとは「風評被害」のことばから「汚染されていないから安全」をかってに受け取ってくれるというわけ。 「安全」は,「人間の都合」の話である。 ひとは「日本人なら日本に不利な言動をするわけがない」で高揚する。 しかしこれは,「是非も無し」なのである。 人間とはそういものなのである。 この「人間喜劇」を主題化する科学は, 「生態学」である。 「パラダイム」「生態学」の概念に親しむべし。 このことばは,物事に善悪・真偽など存在しない,を言うためのものである。 「日本人なら日本に不利な言動をするわけがない」キャンペーンに煽られぬよう。 「日本」を「 唱えていることは,「同調圧力」「組織的隠蔽」なのである。 |