Up 「カーボン・ニュートラル/リサイクル」デマゴギー : 要旨 作成: 2021-12-04
更新: 2021-12-04


    「カーボン・ニュートラル/リサイクル」は,もとより達成を考えているものではない。
    これは,企業がビジネスチャンスにしていくものである。

    経済は,「その場に留まるためには、走り続けねばならない」というものである。
    走り続けるためには,走らせてくれるものが要る。
    それは,テーマ (「お題目」) である。
    テーマに必要なことは,それで以て走り出せることである。
    これができるものなら,何でもよい

    企業は,そのテーマをビジネスチャンスにする。
    テーマを達成しようとする企業が自分であることを,大衆にプロパガンダする。
    大衆は,企業のプロパガンダパフォーマンスを見て,これで未来はだいじょうぶと安堵する。


    プロパガンダは,騙しである。
    騙す者は,どうすれば大衆を騙せるかを,よくわかっている。
    大衆を騙すには,キャッチフレーズを用いる。
    それは,外国語のフレーズをカタカナしたものである。

    大衆は,キャッチフレーズを<福音>にする。
    大衆は,キャッチフレーズの中身を考えるということを知らない。
    大衆は,キャッチフレーズを疑うということを知らない。


    「カーボン・ニュートラル/リサイクル」の中身を考えるとは,つぎのようにすることである:
      先ず,つぎを求める:
        「カーボン・ニュートラル/リサイクル技術」の費用対効果比
      そしてこれからつぎを導く:
        現実的な「カーボン・ニュートラル/リサイクル技術」が削減する CO2 量q
      これを,つぎと比較する:
        化石燃料の使用が現在産生している CO2 量Q
      そして,つぎを観る:
        「カーボン・ニュートラル/リサイクル技術」をキャンペーンしている者たちは,Qーqをゼロにする方法 (化石燃料の使用をやめるといった類の方法) を考えているか?
    考えていなければ,キャンペーンは騙しである。
    そして実際,このキャンペーンは,Qーqをゼロにする方法については思考停止を決め込んで,「カーボン・ニュートラル/リサイクル」をただ唱えているわけである。


    一方,この手の騙しは,目くじらを立てるようなものではない。

    経済はゲームである。
    このゲームのプレイヤーは,騙す者・騙される者と,そして騙されたふりをする者である。
    ひとが生業うとは,このいずれかの役に就くことである。

    ひとがこの役に就くようになっていくことを,「大人になる」と謂う。
    大人を汚いもののように見る子どもも,その大人になるのである。