Up 廃棄バッテリーの山 作成: 2024-01-10
更新: 2024-01-10


    EVはガソリン車より重い。
    ガソリン車の重量の 20〜40% 増しになる。

    EVを重くしているのは,バッテリーである。
    バッテリーの重さは「1000ポンド (約450キログラム) 程度」

    バッテリーは劣化する。
    自動車のバッテリーとして不都合になるまでの年数を「バッテリーの寿命」と呼ぶことにすれば,これは10年ほど。
    バッテリーは高価なので,バッテリーの寿命が来たら「バッテリーを交換」とはならず,「新車に買い換え」となる。


    ひとは,「ガソリン車はEVに替わるべき」と思っている。
    EV はエコであり,再生エネルギーで賄われ,そしてバッテリーはリサイクルされる」と思っている。
    そう思うように洗脳されている。

    では,ガソリン車はどのくらいあるのか?
    年間の世界生産台数で見ると, 「2022年で 8千5百万台,そのうち乗用車は 6千1百万台」
    「ガソリン車はEVに替わるべき」ということなので,EV乗用車の年間生産台数を 6000万台としよう。

    バッテリーの重さを 450kg とすると,EV年間生産が6000万台ということは,バッテリーの年間廃棄が
        ( 450 × 6000万 ) kg = 2700 万トン
    ということ。


    バッテリーをリサイクルするとしたら,それはどんな工程になるか?
    高エネルギーを費やして熔解し,液体に入れリサイクルしようとする物質を浸出する。
    そしてこの過程で,危ない廃棄物が色々生ずることになる。

    これは,一個の企業のビジネスにならない。
    コストに見合わないからである。
    EV 生産の大企業の一部門か,提携企業の形でしか成り立たない。
    そしてそれでも,処理能力は年間せいぜい数万トンといったところである。
    工程が効率化を阻む内容であり,そして規模を大きくすることは赤字を大きくすることだからである。

    こういうわけで,廃棄バッテリーは,山積みしていくのみである。
    ──毎年2700 万トンずつ増えていく山。
    (埋め立ては,土壌・地下水汚染の問題がある。)


    山積みは,自分のところでやるなら,まだよい。
    日本のような廃棄物規制の強い国は,規制の弱い国に廃棄物を「輸出」するようになる。
    プラスチックごみで,ベトナムやインドネシアを利用した具合にである。
    これが,いちばんまずい。

    知るべし。
    自分のところで規制を強くすることは,他のところに尻拭いさせることなのである。
    ひとはこれを知らない。
    環境は規制強化でよくなると思っている。
    オメデタイかぎりである。