Up EV は何年で埋蔵リチウムを取り尽くすか? 作成: 2024-01-07
更新: 2024-01-07


    EVの駆動バッテリーの中身は,リチウムイオン電池である。
    何千ものリチウムイオン電池を直列につないで,バッテリーにする。
    よって,EVの生産はリチウムの採掘と込みである。
    そしてリチウム電池のリチウムはリサイクルできないので,EVの増産はリチウム採掘の増産と込みである。

    リチウムは,鉱床を採掘してとる。
    鉱床には,つぎの二つの形がある:
      1. かん(鹹)水
      2. 鉱石
    これを原料として濃縮・精製し,いったん炭酸リチウムに変換する。
    そして炭酸リチウムから,製品にしようとするリチウム化合物ないしリチウム単体を製造する。

    こういうわけで,リチウムの量は,炭酸リチウムの量として表現される。
    以下も,「リチウムの量」は,炭酸リチウムに換算した量を指すものとする。


    バッテリーのリチウム含有量は、

    バッテリーの容量は数十 kWh で,車種によって異なる。
    いま,平均して c kWh とする。
    このときEV1台の生産に使われるリチウムの量は,
        0.85 × c kg

    EVの年間生産台数をn 万台とすると,この生産でバッテリーに使われるリチウム量は,
        ( 0.85 × c ) × n 万 kg = 8.5 × c × n トン


    ひとは,「ガソリン車はEVに替わるべき」と思っている。
    そう思うように洗脳されている。
    では,世界に自動車はどのくらいあるか?
    自家用車の年間生産台数だけを見ても

    いま,EVのバッテリー容量を平均 50 kWh ( c = 50 ),EVの年間生産台数を 6000万台 (n = 6000) としよう。
    このとき使われるリチウム量は,
        8.5 × 50 × 6000 トン = 255 万トン。


    リチウムの埋蔵量は,言われていることが同じでない:,
    ここでは,「1億トン」としておこう。

    リチウムの年間生産量は,つぎのように推移している:

    EVバッテリ以外のリチウム需要を,年間45万トンとしよう。
    EV分と合わせて年間
        255 + 45 = 300 万トン。
    そうすると,埋蔵量1億トンは,34年でとり尽くさられることになる。


    このように「ガソリン車はEVに替わるべき」は,「リチウムの消費量」を考えるだけでも,理屈が立たない。
    ガソリン車はEVに替わるべき」は,騙しなのである。