Up EV の電力消費量 作成: 2023-07-12
更新: 2023-07-12


    EV を広めるためには,ひとに「これからの自動車は EV」「EV は得」だと思わせねばならない。
    EV の不都合は,努めて隠さねばならない。
    不都合を隠して買わせるのは「詐欺」ということになるが,商いとはそういうものである。
    騙される方がわるいのである。

    というわけで,EV 商法の騙しをしっかりわかっておこう,となる。


    EV は得」のレトリックには,「電気料金の安い夜間に充電」が出てくる。
    しかし,「これからの自動車は EV」とも言っているわけである。
    そのときは,自動車の充電が集中する時間帯は,電力需給逼迫の時間帯になる。
    よって,電気料金の安い時間帯は無くなる。

    そして電力需給は,既に「逼迫」がふつうになっている。
    節電要請が出されるとき,電気自動車はどうする?

    実際,EV の不都合は,EV と電力需給との関係を考えたとき,露わになるのである。


    現在,EV のバッテリー容量は 40 kWh くらいが標準である。
    そして電費が,8 km/kWh くらい。
    よって,1回のフル充電で走る距離は
      8 × 40 = 320 km

    EV が,平均して1日に akm 走るとする。
    1か月では, (a× 30) km。
    これの使用電力量は,
      ( (a× 30 ) ÷ 8 ) kWh

    1日当たりの走行距離と一月当たり電力使用量の対応を表にすると:
km/日 kWh/月
10 37.5
20 75.0
50 187.5
100 375.0
150 562.5
200 750.0

    この電力使用量を,1世帯の1か月の平均電力使用量と比べてみる:
地域計画建築研究所 (2015), p.13
○人世帯 kWh/月
219
331
386
436