Up 「有機農業」商法 作成: 2024-04-02
更新: 2024-04-02



    農業は,無機肥料・除草剤・除虫剤を用いる農業になっている。
    これを悪として「有機農業」を打ち出せば,商売になる。

    この商売は,電気自動車 (EV) の商売と構造が同じである。
    車が石油燃料であることを悪として「電気自動車」を打ち出せば,商売になる。


    電気自動車は石油燃料車に換わるものではない。
    電気自動車の需要は,膨大な電力とリチウムの需要とイコールになるからである。
    この需要を満たすことはできない。
    そしてもし,むりやり満たそうとしたらどうなるか。
    膨大な電力とリチウムを供給しようとする各種産業は,その業態に応じて,地球のサバク化を行う。
    総体で,地球のサバク化に驀進することになる。

    有機農業も同様。
    「有機農業」は,現行農業に換わるものではない。
    有機農業の需要は,膨大な有機肥料の需要とイコールになるからである。
    この需要を満たすことはできない。
    ──実際,無機肥料は,有機肥料の供給が無理なことなので,つくり出された。
    そしてもし,膨大な有機肥料の需要をむりやり満たそうとしたらどうなるか。
    膨大な有機肥料を供給しようとする各種産業は,その業態に応じて,地球の資源蕩尽に邁進することになる。


    農業は,商品経済に取り込まれている。
    商品経済の食糧は,大量消費・大量廃棄が定めである。
    よって農業は,大量生産が強いられる。
    大量生産であるから,大量の肥料投入が必要になる。
    大量生産であるから,作物の世話に手をかけられない。
    こうして,無機肥料・除草剤・除虫剤の使用となる。

    有機農業は,現実的な農業にはならない。
    そして現実的な農業にはならないことが,有機農業の売りになる。
    有機農業は,「選良」意識を顧客にするのである。
    この構造も,電気自動車と同じである。