Up 要 旨 作成: 2008-02-15
更新: 2008-02-15


    「コンピュータの人支配」の形は,<個>に対する管理・統制である。
    この「管理・統制」の要素の一つに,事なかれ主義がある。
    事なかれ主義が「管理・統制」の形に現れるということだ。

    人・組織は,体質の深い部分に事なかれ主義をもっている。
    事なかれ主義は,人・組織の否定的局面ではなく,人・組織の要素である。
    「コンピュータの人支配」の研究では,自ずとこの事なかれ主義の考察が入ってくることになる。 (ただし本論考では,これについては簡単に触れて済ませる。)


    「コンピュータの人支配」に関わる事なかれ主義に,つぎの2タイプを分けて考える:

    1. 仕事をいま以上には面倒/ハードにしない。
    2. 社会ネタになる失敗を発生させない。

    「仕事をいま以上にハードにしない」から「管理・統制」が出てくるのは,自由・多様・複雑が仕事を面倒/ハードにする主要なものになるからである。
    「社会ネタになる失敗を発生させない」から出てくる「管理・統制」は,失敗のもとになりそうなものの抑制・禁止である。

      現実の「管理・統制」は両義的である。 ──仕事を面倒/ハードにしないことと,社会ネタになる失敗を発生しにくくすることは,相通じる。 (例: thin クライアント)