Up 「個の多様性の解発」のデザイン──モジュール化 作成: 2007-09-12
更新: 2007-09-12


    「自由」とは,個の多様性の解発 (release) が妨げられない状態を謂う。 ──管理・統制が「自由」の抑圧になるという意味は,これが個の多様性を抑圧するということである。
    そこで,「自由」のデザインの方法は,「個の多様性の解発」のデザインである。


    「個の多様性の解発」は,「多様な個の回収」──多様な個と同じだけの多様な受け口をつくる──ではない。 (「カスタマイズ」とか「小ロット」の考えは,「多様な個の回収」である。)
    「多様な個の回収」は,「教育・研究の自由」のデザインにはならない。
    なぜか?
    「教育・研究の自由」は,先に向けて開いていなければならない。 一方,「多様な個の回収」では,「多様な個」が確定され,閉じられている。

      「教育・研究の自由」のデザインの場合「多様な個の回収」は最初から不可能であるが,この「不可能」が,「多様な個の回収」が「教育・研究の自由」のデザインにならない理由なのではない。


    「個の多様性の解発」のデザインは,つぎのデザインである:

      個が自分の好きにできる。
       しかも,これが先に向けて開いている。

    これは,つぎの方法で実現できる:

    1. 「組織に対する教員の教育・研究の自由」の場合
      1. 組織のウェブサイトに,「教員の教育・研究」のゲートウェイ・ページをつくる。
        これの中身は,各教員の教育・研究ウェブサイトへのリンク。
      2. 各教員は,自分の教育・研究のウェブサイトを設ける。

    2. 「教員に対する学生の学習・研究の自由」の場合
      1. 教員のウェブサイトに,「学生の学習・研究」のゲートウェイ・ページをつくる。
        これの中身は,各学生の学習・研究サイトへのリンク。
      2. 各学生は,自分の学習・研究サイトを設ける。


    このデザインの要点は,「モジュール化」である。
    教員/学生サイトが,このときのモジュール。 教員/学生サイトは,つねに変化する。あるいは,まだ全くつくられていないかも知れない。 しかし,「モジュール」の方法により,これらを一つのシステムへと構成することができる。

    重要 : ここで示したモジュール設計は,「ウェブ」という技術のたまものである。 ──実際,システム設計関連での「ウェブ」の真骨頂は,「モジュール」の実現にある。