Up 失敗断罪・責任追及主義 作成: 2008-01-15
更新: 2008-01-15


    「失敗=隠蔽するもの」とする体質が,人にも組織にもある。
    失敗隠蔽は社会被害・犯罪性を大きくしていく。
    そして,ついに犯罪として摘発され,責任が厳しく追及される。

    失敗隠蔽の断罪は,失敗断罪に短絡していく
    「失敗にはたいてい隠蔽が伴っている」という現実が,この短絡を合理化する。
    失敗断罪・責任追及主義社会の成立である。

    失敗すれば断罪・責任追及がくるので,「絶対失敗を起こさない」が当事者のスタンスになる。 「ゼロかイチか」のスタンスである。
    「この失敗はたいしてことではない/あたりまえ/ありがたい」を言う良識論は封殺される。

    自分のネットワークの中で事件が起きたら失敗断罪がまっているとなれば,「ネットワーク管理=事件を絶対に起こさないための管理」になってしまう。そしてその方法は,事件の因になりそうな<菌> (特に,感染症の菌) の徹底排除である。

    一方,当事者には,「事件を絶対に起こさない」「事件の因になりそうな<菌>の徹底排除」が無理なスタンスであることもわかっている。
    このとき,ネットワーク運用は,
    • 事なかれ主義の安全主義
    • 通達主義の責任回避主義
    に向かう。

    ここで「事なかれ主義の安全主義」とは,「<菌>の出現機会を減らす・無くす」を方法にすることである。 そしてこれは,ネットワークを不自由にすることと同じ。(<菌>の出現機会を減らす・無くすやり方の最高のものは,「ネットワークを使えなくする」である。)