Up 「健康づくり」の形 作成: 2008-01-15
更新: 2008-01-15


    「コンピュータによる人支配」は,「管理主義の本末転倒」の一つである。
    本章では,「コンピュータによる人支配」の一つとして,セキュリティ主義 (セキュアであることを自己目的化する立場) を問題にしてきた。

    ネット犯罪は多様であるが,最も情報ネットワークに特徴的な犯罪は「寄生虫感染症」の形をとる犯罪である。
    そこで,「感染症に強くなる健康づくり」が主題になる。


    感染には,ユーザの行動に原因するものと,カラダの脆弱性に原因するものの2通りがある。 このうち「健康づくり」で主題になるのは,カラダの脆弱性に原因する感染の方であり,そしてこの感染は,「プログラムの脆弱性がつけ込まれる」というものである。 ( 寄生虫感染のりくつを知る)

    よって,「感染症に強くなる健康づくり」とは:

      プログラムの脆弱な部分を直す。

    そしてこれは,プログラムの開発元 (ベンダー) の仕事である。


    よく「セキュリティ技術向上と犯罪技術向上のいたちごっこ」ということが言われるが,「プログラムの脆弱な部分を直す」は確実に進んでいく。
    「寄生虫感染症」タイプの犯罪は,「ユーザを騙して,寄生虫感染する行動をとらせる」の方に益々シフトせざるを得なくなる。

    なお,「騙されて,寄生虫感染する行動をする」への対策は:

      寄生虫感染させるコードを,入り口でストップできるようにする。
      中に入れてしまい寄生虫が発生しても,駆除できるようにする。

    そしてこれをつくるのは,システムソフトウェアの開発元のサービス,あるいはユーザによる「ウィルスチェック・駆除ソフトのインストール」である。