ネットワークを使った不正・犯罪行為は,つねに試みられる。
膨大な数にのぼりそして不可視のこれらに対し「無菌」パラダイムで臨むことは,不可能になっていく。
実際,何を対策しても,「完全はない」が言われる。
「あらゆることに危険がある」が言われる。
しかし,細かいことにいちいち神経を使って対応していたら,身が保たない。そんな暇もない。
知識・技術・能力の面でも,とてもついていけるものではない。
そして,果たしていま自分が無菌でいるのかどうかも,わからない。
「注意喚起」も,意味をもてなくなる。
──「注意喚起」は,ユーザにとってとんでもなく曖昧で,内容的に大変そうで,結局対応のしようがないことを,言うだけになる:
パソコン及ぴ外部記録媒体等の適正な管理をお願いします。
パソコンや外部記録媒体 (新規に購入したものを含む) におけるウイルス感染の有無,OSやアプリケーションの脆弱性への対応状況,不要なアプリケーションや機能の導入・使用状況,ウイルス対策ソフトにおけるパターンファイルの適用状況を確認するなどして,情報漏えい事案の発生防止及び発生時の被害拡大防止に努めてください。
何を言っているのかわからない。
何をどうすればいいのか,わからない。
ウィルス対策ソフトが汚染されるということはないのか?
どこまでが信用してよいことなのか,さっぱりわからない。
結局,注意されても,どうしようもない。
安易に不審なメール・添付ファイル及びWebぺ一ジを開くことがないようにしてください。
「安易・安易でない」の基準・理屈がわからない‥‥
「不審なら開かない」では,仕事はできない。
関係者を編ってウイルスを含んだ電子メールが送られることもあります。
電子メールは送信者を偽ることが容易です。メールに含まれているウェブサイトのリンクを,安易にクリックしないこと。
クレジットカードの「今月の使用状況」がウェブページにあることを知らせるメールが来た。リンクボタンをクリックしてもよいのか?
アップデートされたソフトのダウンロードサイトを知らせるメールが届いた。ウェブサイトのリンクボタンをクリックしてもよいのか?
(関連して:コンピュータ画面で,アップデートされたソフトがダウンロードできるというメッセージのウィンドウが開いた。信用していいのか?)
フィッシング詐欺に注意しましょう。
オンラインショッピングはどんな場合にだいじょうぶなのか?
これはよい・これはだめは,どうしたらわかるのか?
大手企業や官公庁のウェブサイトも,ウィルスを埋め込まれてしまっていることがあります。
そのようなサイトにアクセスすると感染することになります。
ウェブを使わないという選択はできない。
結局,注意されてもどうしようもない。
|
|