Up 道具が所与になる 作成: 2007-09-06
更新: 2007-09-06


    <新しいもの>が生まれる現場に立ち会う者は,自ずとつぎの問いをもつ:
      何が生まれようとしているのか?
      これから先どう成長するか/成長すべきか?
    そして,この生まれたものの変化を見続ける。

    この<新しいもの>は徐々に,そしてあるときから急に,社会に普及する。 そしてついに,空気のような存在 (あたりまえであり,そして無くてはならないもの) になる。

    この段階で新しくやってきた者にとって,これは<所与>である。


    「空気のような存在になっている」は,「これが今後固定的に続く」を意味しない。 空気のような存在も,変化する。

    <空気のような存在>のここまでの変化を知っている者は,これを「変化するもの」と見る。 そして,つぎの問いを保つ:
      いま何が起ころうとしているのか?
      これから先どう変化するか/変化すべきか?

    一方,<空気のような存在>を<所与>としたものは,これを「固定的なもの」と受け取る。 特に,上のような問いを持てない。
    これは,「システムの<意味>を問うということを知らない」と同じ。


    「システムの<意味>を問うということを知らない」は,つぎの理由で問題になる:

      システムの<意味>が問われないとき,システムは独り歩きする。
      (「コンピュータに人が支配される」)