Up 「PCの管理」としてできること・できないこと 作成: 2007-09-20
更新: 2007-09-20


    情報システム管理者は,個人の PC にどこまで介入できるか?
    これはむずかしい問題である。 むずかしい問題であるという認識をしっかりもつこと,これが重要である。
    ──これをしないと「勇み足」をやってしまう。

      「勇み足」ではあっても,これの合理化に向かう集団心理が組織の中に醸成されてくる。 既成事実化され,前例になる。


    つぎのことが明らかになった PC に立入捜査 (強制捜査) することは,管理者の務めである:

    • インシデントの原因/誘因になっている
    • 不正が行われている

    では,つぎの理由をもってすべての PC に立入捜査するというのは,どうだろう?

      白か黒か,点検する


    これがやってよいことかどうかを考えるために,構造的に似たものといろいろ比較してみる:

    • 日本では,車検は全車強制である。
      (理由:車は走る凶器である)
    • 日本では,不正の有無を調べるという理由では警察は全戸強制捜査はできない。
      (理由:弊害の方が大きい)
    • 伝染病には,発生地域の全員が強制隔離され検査が施されるものもあるが,ほとんどはそうではない。
      (理由:深刻度と個人の生活その他とのバランスがとられる)

    PC の一括強制点検の是非の問題は,個人の PC をどのように捉えるかという問題である。 そして,どうすべきかは一概に言えない。 それは,ケース・バイ・ケースで考える問題になる。

    注意 : 一括強制点検にいろいろ理由があるにせよ,「教育/啓発」が理由にされることは,些かでも,あってはならない。 それは「大衆蔑視」ということになる。 「教育/啓発」ということなら,もっとよいやり方がある。