Up 情報統制につながる危険 作成: 2007-08-21
更新: 2007-08-21


    情報の扱いには危険が伴う。
    したがって,情報を扱うには哲学が要る。 (「勇気/蛮勇」ではなく「哲学」である。)

    哲学のない者は,情報の扱いに対し事なかれ主義や「臭い物に蓋」のスタンスをとる。 そして,これを偉いことのように勘違いして,このスタンスの指導に及ぶ。
    哲学の希薄な組織では,この指導に「右へ倣い」する。 情報の扱いにビクつき,閉鎖主義に逃げ込む。

    「個人情報保護」は,組織の統制につながる/利用される危険がある。
    情報の扱いには危険が伴う。 失敗は必ず起こる。(ひとは,失敗を百パーセント防ぐようにコストをかけることは,しない/できない。) このとき,その失敗を理由にして,言論差し止めの処分をする,あるいは身分上の処分をするということが起こり得る。

    もっとも,組織の長は,いちばんハラハラしていなければならない立場である。 自分の失敗でなくとも,最終責任は自分にくる。
    この意味では最も気の毒な立場にいるわけだが,しかしそれゆえにこそ,人一倍「言論の自由」「情報」の哲学 (リスク管理の経営学ではない) を強固にしていなければならない立場でもある。

     参考 : 『ホームページにおける保有個人情報の適切な取扱いについて (通知)』(2007-08-21)