「管理台帳」のロジックは,つぎのものである:
- 教職員に自分の管理するソフトウェアのシリアルを報告させる。
これにより,大学所有のコンピュータすべてに関し,その中に入っている正規ソフトウェアがわかる。
- つぎに,ソフトウェア管理機関が,大学所有のコンピュータに対し,(一斉に,あるいは適宜,あるいは何か問題発生の都度) その中に入っているソフトウェアのシリアルを調べる。
重複するシリアルが発見されれば,そのシリアルを報告した教職員が不正コピーに係わっていることになる。
- 不正コピーが発見されたときは,ソフトウェアを適切に措置し,不正コピーに係わった教職員を適正に処分し,然るべきところにこの一件を報告する。
このロジックで論点になるのは,「ソフトウェア管理機関が教職員の管理するコンピュータを調査する」というところである。
調査には,つぎの2通りがある:
- 「何か問題発生の都度」の調査
- 「問題発生」とは関係なく行う不正コピー調査
1.「何か問題発生の都度」の調査の場合
このときの「問題発生」は,「不正コピーの発覚」に他ならない。
では,不正コピーはなぜ/どのように発覚したのか?
つぎの二通りが考えられる:
- ソフトウェア会社等のオンラインチェックに,重複シリアルがひっかかり,大学に訴えがきた。
- 内部告発
この場合,つぎのことが論点になる:
管理台帳は,不正コピー抑止の面では機能していない。
2. 「問題発生」とは関係なく行う不正コピー調査の場合
この場合は,つぎのことが論点になる:
管理機関は,「不正コピー調査」の名分で教職員のコンピュータを調査できるのか?
実際,これは「検閲」である。
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