Up 「管理台帳」の含意──管理機関によるPC検閲 作成: 2007-09-13
更新: 2007-09-13


    「管理台帳」のロジックは,つぎのものである:

    1. 教職員に自分の管理するソフトウェアのシリアルを報告させる。
      これにより,大学所有のコンピュータすべてに関し,その中に入っている正規ソフトウェアがわかる。
    2. つぎに,ソフトウェア管理機関が,大学所有のコンピュータに対し,(一斉に,あるいは適宜,あるいは何か問題発生の都度) その中に入っているソフトウェアのシリアルを調べる。
      重複するシリアルが発見されれば,そのシリアルを報告した教職員が不正コピーに係わっていることになる。
    3. 不正コピーが発見されたときは,ソフトウェアを適切に措置し,不正コピーに係わった教職員を適正に処分し,然るべきところにこの一件を報告する。

    このロジックで論点になるのは,「ソフトウェア管理機関が教職員の管理するコンピュータを調査する」というところである。
    調査には,つぎの2通りがある:

    1. 「何か問題発生の都度」の調査
    2. 「問題発生」とは関係なく行う不正コピー調査


    1.「何か問題発生の都度」の調査の場合

      このときの「問題発生」は,「不正コピーの発覚」に他ならない。
      では,不正コピーはなぜ/どのように発覚したのか?
      つぎの二通りが考えられる:
      1. ソフトウェア会社等のオンラインチェックに,重複シリアルがひっかかり,大学に訴えがきた。
      2. 内部告発

      この場合,つぎのことが論点になる:
        管理台帳は,不正コピー抑止の面では機能していない。

    2. 「問題発生」とは関係なく行う不正コピー調査の場合

      この場合は,つぎのことが論点になる:
        管理機関は,「不正コピー調査」の名分で教職員のコンピュータを調査できるのか?
      実際,これは「検閲」である。