Up 現代社会の課題・ニーズに対応」のことばで思考停止 作成: 2008-06-26
更新: 2008-06-26


    「改革」が流行りの時代に「改革」の旗を振った者は,「改革」のインチキ具合がいろいろ見えてくる時代になると,体裁が悪くなる。 流行りに関係なく,理論的に自分の立場をしっかり保てるかどうかで,人も大学も試される。

    国立大学は,<いま>に対応するのが仕事ではない。
    <いま>に翻弄されない視座・方法を示すのが仕事である。



    「改革」が流行りの時代に唱えられた「現代社会の課題・ニーズに対応」の意味は,商品経済社会/市場原理主義社会の課題・ニーズに対応」のことである。
    経済界は,国立大学に市場原理・グロバーリズムの側に立つことを求める。
    国立大学は,これに応ずることを正しいことと受け取る。

    もし国立大学が学問の府であるなら,市場原理・グロバーリズムは研究の対象であって,それの側に立つというようなものではないことがわかるはずである。
    しかし,国立大学は,自らの意義をすっかり見失ってしまい,市場原理主義の営利企業を真似することにせっせと努める。