Up インストラクター不在 作成: 2008-06-30
更新: 2008-06-30


    コンピュータ操作・作業の指導は,つぎの2つの場合で事情がまったく異なってくる:
      1. 専用化されたコンピュータで行う
      2. 学生の個人パソコンで行う
    「学生のパソコン必携化」の発想では,この問題が気づかれていない。


    コンピュータ操作・作業の一斉指導はコンピュータ室のコンピュータやその他専用化されたコンピュータを使って行われるが,この場合,つぎのことが要点になっている:
        コンピュータが同一仕様であり,そして
        指導者がこの仕様を了解している。
    実際,このようでなければ,コンピュータ操作・作業の一斉指導は,不可能である。
    そしてこれと同じ理由から,「学生のパソコン必携化」も,「同一仕様のパソコンを強制的にもたせる」になる。

    しかし,学生が強制される同一仕様のパソコンは,個々の教員がひとしく了解するものではない。 そのパソコンは,実際のいろいろな授業で使えるというものにはならない。

      ひとりの学生に対し,その学生の個人パソコンの上で,コンピュータ操作・作業が指導されるとする。このとき,パソコンの仕様が指導者の了解していないものであれば,たった一人に対する指導にもかかわらずも,それはとんでもなく骨の折れる──そして,うまくいかない──ものになる。

    併せて,一斉指導の形の授業も,すぐに困難になってくる。パーソナルな使用の過程で,パソコンの同一仕様が崩れてくるからだ。


    こういうわけで,学生に必携を課したパソコンに対しては,<インストラクター>が成り立たない。 ──このパソコンは,矛盾である。

      つぎの違いを理解しなければならない:
      1. 学生が主体的にパソコンを購入し,そして自分の目的からそれを授業に対して活用する。
      2. 学生に強制的にパソコンを購入させ,授業で使わせる
      後者では,<インストラクター>が要素になる。そして,この<インストラクター>が成立しない。