Up 「コンピュータの人支配」の要素:組織の力学 作成: 2008-02-13
更新: 2008-02-13


    大学では,教育・研究を便利にするために,コンピュータ/ネットワークが導入される。
    つぎに,教育・研究がコンピュータ/ネットワーク使用を必須とするものになる。
    ──ネットワークの組織インフラ化である。

    ネットワークが社会インフラになるとは,ネットワーク使用が社会的行為になるということである。 行動には自ずと規則・規範が伴う。
    ここに,コンピュータ/ネットワーク使用の管理・統制がくる。

    つぎに,コンピュータ/ネットワーク使用の管理・統制は,コンピュータ/ネットワークを使う教育・研究の管理・統制に進む。 ──本末転倒の出現である。
    そして,管理・統制は,さらに越権行為に進む。


    本末転倒・越権行為は,組織の中に自然に (抵抗を受けることなく) 浸透する。
    ──本末転倒・越権行為がだれにも注意されない (問題意識にのぼらない) 組織風土は,簡単にできあがる。

    実際,社会的存在である人間は,全体主義を体質にしている。
    管理・統制は,この全体主義の立場から,アタリマエ視される。
    こういうわけで,ネットワークの個人使用に対する組織の管理・統制は,特に問題意識にのぼることがない。
    そして,管理・統制は,する者もされる者も感覚麻痺を進行させていく。
    本末転倒・越権行為にも感覚麻痺していく。


    「コンピュータの人支配」の「組織の力学」については,つぎの章で論じる: