Up アウトソーシングは適さない 作成: 2006-12-06
更新: 2006-12-06


    ネットワーク管理者教員の過重労働は,たいていつぎのような形で問題にされる:

      ネットワーク運用・管理のアウトソーシングがこれの解決策であり,
       そしてこの解決をはばんでいるのが人件費惜しみ

    しかし,ネットワーク (情報システム) 運用・管理のアウトソーシングは,大学という組織には適さない。 そして,アウトソーシングはネットワーク管理者教員を無くすものにもならない。
    なぜ?


    ここしばらく,「人材の有効配置」の視点から,ネットワーク運用・管理のアウトソーシングが謳われてきた。 しかし最近になって,アウトソーシングからの撤退の動きが,企業において顕著になってきた。 つぎのことが,企業にわかってきた:

      アウトソーシングは,
       ネットワーク運用・管理を自分が行うことに代わるものではない

    実際,ネットワークの運用・管理は,システム (ハードウェアとソフトウェア) 管理以上に,ユーザ (人) に対するサービスである。 そして,その組織における<サービス>が何であるかは,その組織の者でなければわからない。

    アウトソーシングでは,このサービスが失われる。
    また,外部者には,システム (ハードウェアとソフトウェア) の使い勝手がその組織においてどうであるかがわからない。 そこで,たいてい,使い勝手の悪いシステムがトップダウンで降りてくる。

    そして,サービスを失った組織はどうするか?
    身内の中にサービスを担当する者を改めてつくりはじめる。
    すなわち,コンピュータやネットワーク導入の時期に起こったことが,再現される:

      コンピュータやネットワークを割と得意とする者に助力を求める;
      彼らに助力を求めることが常習化する;
      彼らにに親しい・疎いでサービスの違いが組織構成員の中に現れてくる;
      サービスを公平にそして機械化するために,サービス部隊が望まれ結成される。

    これが「アウトソーシング」というものの含意である。