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インターネット=道路網
作成日: 1996-06-24
修正日: 2000-10-09
インターネットは道路網と似ています。
インターネットも道路網も,種々雑多な媒体の上に形成された一つの秩序です。
「交通規則」から「道路」が生じます。
「通信規則」から「インターネット」が生じます。
道路網は種々雑多な道路でなっています。ハイウェイもあれば「建物の区分け」と言った方がふさわしいような道路もあります。品質とか形状で「道路」というものを規定することはできません。
「交通規則」(「歩行/運転規則」) が「道路」を定めます
。ある一定のマナーで使われているからそれは「道路」なのです。
使い方が「道路」を決める
というわけです。
たとえば学校で研究会を催すとき,学外からの来客のために校庭に駐車場を臨時に設けることがあります。その中に道路をひきますが,研究会が終われば解消されます。これが示すように,
「道路」は実体ではありません
。
インターネットも同様です。インターネットは種々雑多な通信媒体で支えられています。一般電話回線もインターネットの要素にすることができます。無線や電力線も要素になります。これら種々雑多な通信媒体の集合が「インターネット」になるのは,一定の通信規則によってです。
使い方が「インターネット」を決める
というわけです。
この通信規則の名前が「TCP/IPプロトコル」です。したがって,「TCP/IPプロトコルにしたがう通信網」というのが,「インターネット」の論理的な意味になります。
運転規則・歩行規則が「道路」を定めるように,TCP/IP と呼ばれる通信規則が「インターネット」を定めます。
「インターネット回線」というものはありません。
一般電話回線や無線を TCP/IP の規則で使ったら,その間この電話回線や無線は「インターネット回線」ということになります。
「道路」
「インターネット」
道路は,種々雑多。
使い方が「道路」を決める
使い方:「道路交通規則」
インターネットの媒体は種々雑多
使い方が「インターネット」を決める
使い方:「インターネット通信規則」
「電力線インターネット」
インターネットは一般道路網です。
インターネットはアプリケーションやデータに優劣をつけません。特に,ある特定のアプリケーションに便利なようにそれ自身を変えるといったことは,インターネットの本義ではありません。「
あらゆるアプリケーション
が
多種多様な媒体
を通える」ようにするための規格/システム,それがインターネットです。
このことの裏返しとして,インターネットには,帯域保証や遅延時間の保証はありません。それは,インターネットの欠点ではなく,インターネットが「一般道路網」であろうとしたことの結果です。
「パケット転送」で,「道路の共有」を実現
道を専有しないように,荷物を小さなパケットに分けて小出しに送り出す(「パケット転送」)
プロトコル
IP
TCP