Up ビジネスネットワーキング:要旨 作成: 2024-10-16
更新: 2024-10-16


    人の生き方は,右往左往である。
    真ん中を行けばよさそうなものだが,これはひとには難しくてできない。
    ──難しくてできないので,「中庸」なんてことばがつくられたり,わざわざ説かれたりするわけである。

    企業のネットワーキングも,この右往左往である。
    右往左往の両極は,
      ブラックボックス vs ホワイトボックス
      レンタル vs 自前


    ブラックボックスは,バカチョン (「バカでもチョンでも使える」) のワンパッケージ (ネットワークベンダーは「フルスタック」という言い方をする)。
    ホワイトボックスは,「最適な製品を選んでネットワークを汲み上げる」の構え。

    ブラックボックスに往くと,企業の動態といろいろなところで合わないとか,トラブルに際してはこれに対応できない,ということになる。
    ホワイトボックスに往くと,管理が大変になる。

    レンタルは,ブラックボックスに通じる。
    自前は,急速に旧態化するシステムを抱えてしまう,ということになる。


    ネットワークベンダーは,企業にこの右往左往をさせることで,儲ける。
    右往左往を煽るため,怪しいことばをいろいろつくり出す。
    いまだと,
      「エッジコンピューティング」
      「BON (Business Optimized Networking)」
      「NaaS (Networking-as-a-Service)」
      「MCN (Multi-Cloud Networking)」
    といったぐあい。

    このビジネスは,総体では莫大な儲けになる。
    実際,今日の筆頭大産業は,ネットワークベンダーである。

    ただし, 「総体では」が,肝心なところ。
    儲けの大きい産業には,続々と新規参入があり,競争が熾烈になる。
    いまの大手ネットワークベンダーも,盤石ではない。
    大手であることは,総括的になり,融通がきかなくなるということである。
    よって,分野特化を活路と定める新興勢力の台頭で,失地を増やしていく。
    成功した新興企業は,つぎは大手を目ざす。
    ──この繰り返し。


    企業は,ネットワークベンダーの生存競争に翻弄される。
    怪しいことばを散りばめる彼らのプロパガンダに,目が眩むばかり。