Up 自律 (行動生成) 型ロボット : 要旨 作成: 2024-11-04
更新: 2024-11-04


    車を考える。
    最初は,人がこれを運転する:
        車 + 運転する人
    この車が,第一世代 (車1)。

    その「運転する人」を,つぎのように分ける:
        運転する体 + 運転する脳
    そこで,つぎのようになる:
        車 + ( 運転する体 + 運転する脳)

    この式から,車の進化形──第二世代 (車2),第三世代 (車3) ──が導かれる:
        車2( = 車 + 運転する体 ) + 運転する脳
        車3( = 車 + 運転する体 + 運転する脳 )

    第二世代は,人が車2に動作を指示し,車2が指示に従って動作する。
    第三世代は,車3が自分で動作を決め,動作する。──「自律 (行動生成) 型」というわけである。


    自律型では, 「脳」がさらにつぎのように進化する:
        手続き型プログラム → 生成AI

    実際,車が出遭う場面は無限にあるから,手続き型プログラムで「運転する脳」を実現することはできない。
    手続き型プログラムのこの限界は,「フレーム問題」と呼ばれた。
    そしてこの問題を超克したのが,ディープラーニングの生成 AI というわけである。
    生成AI は,車が出遭う場面の無限に,対応していく。


    さて,上の話の中の「車」は,何でもよい。
    「車」の話にしたのは,話をしやすくするためである。
    その「何でもよい」にあてたことばが,「ロボット」。
    但し「ロボット」のことばは,第一世代型には使われないのがふつうである。

    今日,ロボットは自律 (行動生成) 型で開発するのがアタリマエになってきた。
    よってロボットに対し「自律 (行動生成) 型」の修辞をつけるのも,これからは意味の重複ということになっていく。
    これも,生成AI の急速な進歩と普及の賜である。


    自律 (行動生成) 型ロボットの開発は,個人でも疑似体験できる。
    わたしもやってみたことがある。

    「脳」として Raspberry Pi を用い,これに物体認識 AI の tiny YOLO をインストールする。
    「車」として GoPiGo を用い,これにカメラを装着した回転アームと距離センサーを装着する。
    そして,動作規則をプログラムにして,このプログラムを起動する。
    そうすると,GoPiGo は独りで対象物を見つけそれに到達する。


    自律 (行動生成) 型ロボットの技術は,今後加速度的に進歩することになる。
    なぜなら,これは戦争最先端技術の中心に据えられるものの1つだからである。
    技術の端緒となりそして技術を飛躍的に進歩させるものは,いつの時代も<戦争>なのである。