一般に,集合Eの要素の有限列──空な列εを含める──全体の集合をE*で表わし,また,E+=E*−{ε} とおく。Eの要素を“記号”と読むとき,E*の要素を“記号列”と読む。
記号の集合Eと,集合P⊂E*×E*に対し,
“Pをプロダクションとする記号列の導出(derivation)”
の概念を,つぎのように定義する。
即ち,Pの要素を“規則(production rule)"と呼び,(φ,ψ)∈Pを
φ→ψ
で表わすとき,
- 記号列α,βに対し,規則σ→τと記号列γ,δが存在して,
α=γσδ,β=γτδ
となるとき,“αに規則σ→τを適用して記号列βが直接導出される”と言い,
α⇒β
で表わす。
また,任意の記号列αに対し,
α⇒α
であると約束する。
- 記号列α1,α2,・・・・,αmにおいて
α1⇒α2,α2⇒α3,・・・・,αm-1⇒αm
であるとき,“α1はαmを導く”と言い,
α1αm
で表わす。したがって特に,各記号列αに対し,
αα
である。
なお,→,⇒, がプロダクションPに対するものであることを明示しようとするときは,
のように書くことにする。
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