Up 1.3 文生成システム  


 文生成システムとは,つぎのようなシステム

NV,TV,P,S)
のことである(註1)
  1. NV,TVは,互いに交わらない有限集合。
     NV の要素は非終端記号(nonterminal sym-bol)と呼ばれ,TV の要素は終端記号(termin-al symbol)と呼ばれる(註2)
     V=NV∪TVとおき,Vの要素を記号と呼ぶ──対応して,V*の要素を記号列と呼ぶ。

  2. Pは N+×V* の有限部分集合で,その要素は生成規則(production rule)と呼ばれる。

  3. Sは NV の要素で,生成の開始記号あるいは初期記号(initial symbol)と呼ばれる。

そして,PをプロダクションとしてSから導かれる記号列で,終端記号のみでなるものを,(Gによる)文と呼ぶ。

 文全体の集合は,帰納的集合である。



(註1) ここで定義する文生成システムは,“句構造文法(PSG,phrase structure grammar)”と同じものである。

(註2) “字彙(alphabet)”が,TV に対する解釈になる。
 NVは,文生成に使用される補助記号の集合を意味する。