Up 2.1 文変形システム  


 文──即ち,文生成システムが生成する記号列──に対しては,さらに,それの変形を主題化できる。

 われわれは,文の“変形”を,(シェマを援用する)“文変形システム”の枠組みの下で定義する。即ち,

                   

の図式で,文の変形を定義する。

 実際,無限に生成される文に対してそれらの許される変形を実効的手続きによって──特に,有限個の規則をもって──すべて規定する方法は,このようなものである他ない。

 本節ではこの“文変形”の定式化を述べるが,われわれは“文変形”の形式的定義をはじめに示すということはせずに,意味を十分喚起した後に形式的定義を示すという方法をとることにする。というのも,形式的定義は,非常に煩瑣で見通しの悪いものになるからである。