Up 2.3.2 “代入”の定式化  


 われわれは,“代入”を
《代入枠に対する一定の規則の適用》
というように,定式化する──この規則を“代入規則”と呼ぶ。“記号列の直接代入”は,これの特殊になる。いま

G=(NV,TV,P,S)
G=(N,T,,)
とする。

 “代入枠”は,Nの部分で定義され NVに値をもつ関数各々に対して考えられる──このように身分づけられた関数を,シェマ関数と呼ぶことにする。

 即ち,Nの部分で定義され NVに値をもつ関数σに対し,つぎの条件を満たす

{(1,x1),・・・・,(n,xn)}⊂TTV*
i は互いに異なる) 

は,σをシェマ関数とする代入枠であると言う:
    各 i=1,・・・・,n に対し,
    iN, XiN
    で,

    を満たすものが存在する。
 そして,“(シェマ関数σに関する)代入規則”とは,各代入枠 {(1,x1),・・・・,(n,xn)} に対して代入の方法を一つ定める規則のことである。──それは,記号列:

φ=U1η12η2・・・・Upηpp+1
で,条件:
  1. ηj全体は,i全体と一致する
  2. 各Ujの中にTTVの要素は現われない
を満たすものに対する代入規則であるが,i に対するxi の直接代入とは限らない。