準Thueシステムも,われわれの定式化した理論と見なせる。
ここで準Thueシステムとは,組T=(L,α,π)で,つぎの条件を満たすもののことである:
- Lは,記号の有限集合でアルファベットと呼ばれる。
- αは,公理と呼ばれる一つの空でない記号列。
- πは,準Thueプロダクションの有限集合。但し準Thueプロダクションとは,記号列x,yに対するx→yの形のプロダクション(即ち,文脈自由にxをyで置き換えることを許すプロダクション)のこと。
T=(L,α,π) は,つぎのようにして,理論
T′=(G,H,(S,D),(
S,
D))
と見なせる:
-
G=(NV,TV,P,SEN) は,
-
HはGに同じ。
-
S=(
G,σ,
R) では,
-
G=(
NV,
TV,
P,
SEN) は,
NV={
SEN,
SVR}(註)
TV=L∪{φ,1}
P:
SEN →SENx (x∈L)
SEN →ε
SEN →SEN SVR
SVR →SVR1
SVR →φ
-
σ:
-
代入規則は原初的代入規則。
-
D=(φ, {ε→α}∪π)。
-
Sは,
S#=(
G#,σ#,R#) の
G#に対し,終端記号に
txt
を追加し,プロダクションに
を追加したもの。
-
Dは,D#。
このように定義したT′に関する証明,定理は,確かに,Tに関する証明,定理と同じものになる。
(註) SVR は,“Sentence-VaRiable"。
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