Up 6.3.1.2 一般化規則と演繹定理との非両立性  


 われわれは,定理の導出──結果から見ると,定理の証明──を,テクスト生成と捉え,このときの規則を“推論規則”と見なした。このような推論規則は,テクスト

φ^θ1^・・・・^θn^ψ  (φ,θ1,・・・・,θn,ψは句)

が生成されるという事実から φ⊃ψ を結論するものでなければならない。実際これが“演繹定理”というメタ(超越論的)定理で述べられていることである。そしてこのとき,一般化規則


は,φ⊃(∀x)φ を定理と定めるものでなければならない。

 しかしこれは通用しない──この意味で,“一般化定理”は“演繹定理”と両立しない。

 例えば,文φと変項xに対し,つぎの推論が可能になって (∃x)φ⊃φ が定理になってしまう(特に,(∃x)φ⊃(∀x)φ が定理となる):



(*):一般化規則に演繹定理を適用して得られる定理 

なお,われわれは sen フ ¬¬sen を変形規則の筆頭に位置付ける。