Up 6.3.5 文変形システム  


 Gの上の文変形システム U=( S, D) は,以下のようになる:

  1. Gのシェマシステム S=( G,σ, R) では,

    1. G=( N, T, , SEN) は,
      1. Nは,命題論理のN
          TVR :変項シェマ記号の生成に関する
          TRM :項シェマ記号の生成に関する
        を追加したもの。
      2. Tは,命題論理のT
          tvr : 原初変項シェマ記号
          trm : 原初項シェマ記号
          [,]: 括弧
          ↓ : 代入記号
          nf
        を追加したもの。
      3. は,命題論理のに,
        式,項の生成(註1)
          SEN→(SEN)[(TVR)↓(TRM)]
          SEN→ nf[(TVR)]
          TRM→(TRM)[(TVR)↓(TRM)]
        変項シェマ記号の生成(註2)
          TRM→ (TVR)
          TVRTVR1
          TVR→ tvr
        項シェマ記号の生成(註3)
          TRMTRM1
          TRM → trm
        を追加したもの。


    2. シェマ関数σは,命題論理のσに
        TRM → TRM
      を追加したもの

    3. 代入規則Rは,以下のもの:
      1. 代入枠が
          SENTVRTRM
          SENs, TVRx, TRM
        に対する
          {(,s),(,x),(,t),・・・・}
        であるとき,(s[]) には,sの中の自由なxにtを直接代入することでsから得られる記号列(式)を,直接代入する。
      2. 代入枠が
          TRMTVRTRM
          TRMs, TVRx, TRM
        に対する
          {(,s),(,x),(,t),・・・・}
        であるとき,([]) には,sの中のxにtを直接代入することでsから得られる記号列(項)を,直接代入する。
      3. 代入枠が
          TVR, TVRx,
          SENnf[], SEN
        に対する
          {(,x),(nf[],s),・・・・}
        であるとき,(nf[]) には,
          (i) sがxを自由変項として含まないときは,s自身;
          (ii)sがxを自由変項として含むときは,(∀x)s
        を直接代入する(註4)
      4. 代入枠が TVR, TVRxに対する
          {(,x),・・・・}
        であるとき,右に↓のないには,xを直接代入する。
      5. 代入枠が TRM, TRMtに対する
          {(,t),・・・・}
        であるとき,左に↓のないには,tを直接代入する。


  2. Dは,命題論理のDに同じ。




(註1) これの意味は,次節で明らかになる。

(註2) したがって,
(tvr),(tvr1),(tvr11),・・・・
が,変項シェマ記号の全て。

(註3) したがって,
trm,trm1,trm11,・・・・
が,項シェマ記号の全て。

(註4)‘nf'は,“not free”の‘n',‘f'をとったもの。代入枠 {(,x),(nf[],s),・・・・} の下で nf[] に代入されるのは,文sに対して《sが変項xを自由変項として含むときは,これを (∀x) で束縛する》という処置を施して得られる文である。この文においてxは自由変項でない。