Up 6.8.2 定理の証明と定理シェマの証明  


 定理シェマの証明は,他者がつぎのように認めるとき実現されたことになる:
    《このシェマをもつ定理が証明されるときの一般形式が,示されている》
 “一般形式”を示すものは,やはり記号の列であり,それは新たなシェマである。

 結局,定理シェマの証明とは,定理証明のシェマであり,定理シェマを証明するとは,定理証明のシェマをつくることである。そしてこのシェマをつくる言語は,理論の生成言語に対するメタ言語になる。

 命題/述語論理の上の理論で文を生成するようなものは,まだ導入していない(註)。したがって,定理の証明をここで例示することはできない。(理論としての命題論理,述語論理には,文は存在しない!) しかし,命題/述語論理の上の理論一般の定理シェマ(簡単に“命題/述語論理の定理シェマ”と言い表わす)とそれの証明は,この段階でも例示することができる。以下これを示す。



(註) われわれは§7 で,自然数論をこのような理論として導入する。