Up 雨が降ると土中からミミズが出て来る 作成: 2024-04-17
更新: 2024-04-17


    雨が降ると土中からミミズが出て来る。
    なぜそう判じるかというと,雨後の舗装面に,弱っているミミズや死骸を見ることがあるからである。
    雨後の舗装面にミミズが残っているということは,雨時にミミズが土中から出てきたことを意味する。


    舗装面にミミズが残っているのは,舗装面から土中には戻れないからである。
    土中に戻ろうとしたときそこが地面だったら,とっくに戻れているわけである。

    実際,舗装面に入ってしまったミミズがそこに残ってしまうことは,想像に難くない。
    ミミズは,「ここを過ごせばその先に地面がある」の概念を持たない。
    人がする舗装は,ミミズの進化の時間オーダーでは,ごく最近の出来事だからである。
    ミミズは,触覚を頼りに舗装面をまさぐるばかりで,終わってしまう。,


    雨が降ると土中からミミズが出て来るのはなぜか?
    これはミミズに聞いてみないとわからない。

    雨が降ると,土中に居ずらくなって,地表に出て来るのかも知れない。
    土中に居ずらくなる理由としては,溺れるとか,酸欠とかが想像される。

    あるいは,待っていた雨になったので,地表に出て来るのかも知れない。
    雨が降っていれば,地表に出られるからである。
      ミミズは,体表の粘液に溶けた酸素で呼吸する皮膚呼吸である。
      ──気管・肺といった呼吸器官を持たない。
      よって,体表が乾く条件では地表に出られないのである。

    雨に便乗して地表に出たのだとしたら,その目的は何か?
    すぐに想像できることは,つぎの二つ:
    1. 長距離移動
    2. 他のミミズと出会って,繁殖の交接

    ダーウィンは,"The Formation of Vegetable Mould Through the Action of Worms" (1881) の中で,寄生虫症を可能性の一つに上げている。
    しかしこれは,穿ち過ぎのように思える。