Up ススズメバチ亜科の種の巣 作成: 2019-04-07
更新: 2019-04-07


  • 外被は,層を重ねるようにつくる。
    育房づくりは,外被の内側層を削り取って材料にする。
    巣が大きくなるのは,このしくみによる。

  • 外被の通気性
      松浦誠 (1988), p.195
    スズメバチの巣の構造はこうした熱を逃がさないように多くの工夫が見られる。
    それは、紙製の巣は断熱性に富むうえ、外被に見られる数重の層と、その内部の空気室や育房が、暖まった空気を貯える機能をもっているからである。
    外被を明かりに透かしてみると、針で刺したように小さな穴が無数にあいている。
    それらの穴は巣内でうごめく幼虫や成虫の体から出される炭酸ガスや余分な湿気を巣外へ送り出すとともに、外の新鮮な空気をたえず供給する通気孔の役目をはたしている。
    しかし、空気の対流を許すほどの隙間でないから、一度とらえた熱は外へ逃げずに壁のなかに貯えられる。


  • 引用文献
    • 松浦誠 (1988) :『スズメバチはなぜ刺すか』, 北海道大学図書刊行会, 1988.