Up ウイルスを分離する 作成: 2022-01-23
更新: 2022-01-23


  • 「ウイルスを分離する」
      検体中に存在する特定のウイルスを捉え,それだけを増やすこと


  • 増やす方法
    • ウイルスを生きた細胞に植えつける (「ウイルスを培養細胞に接種」)
        ウイルスは単独で増えるものではない。
        ウイルスが増えるためには,生きた細胞が必要。
    • 培養細胞
      • 動物の細胞 (特に卵)
      • 試験管内で培養している特殊な細胞 (tissue culture)
    • ウイルスを増やす細胞は,ウイルスによって違ってくる。
      一つの検体に複数のウイルスを想定し分離するときは,それに見合うだけの種類の培養細胞を準備し,それぞれに検体を接種することになる。
        技術 :「マイクロプレート法」


  • ウイルス分離の判定
    • ウイルスが細胞の中で増えだすと,細胞に特徴的な変化が見え始める (「細胞変性効果 cytopathic effect (CPE)」)
      これによって,ウイルスが分離されたことを判定
    • CPE で,ウイルスの同定までできることもある。


  • 分離したウイルスの同定
    • 遺伝子検査
      • ウイルスの特定の遺伝子を増幅 (PCR法)
      • ウイルス遺伝子の塩基配列を調べる
    • 抗体反応検査
      • 赤血球凝集抑制試験
          赤血球を凝集する性質を持ったウイルスが対象
          ウイルスXに対する抗体が赤血球凝集を抑えたら,検査ウィルスをXと判定
      • 中和試験
          ウイルスXに対する抗体が検査ウイルスの増殖を抑えたら,検査ウィルスをXと判定