Up | 5.6.2 円のメタファから点のメタファへ |
こころは,伝来の認識論は円の〈内〉を埋めようとしてきた,ということである。〈内〉を埋めることが,伝来の認識論に強迫としてあった。実際,この強迫の下に,"表象"とか"スキーマ"とかCPUだとかコントローラーといった"詰め物"が開発されてきたのである。 この強迫は,円のメタファを点のメタファに換えることで無くなる。点──即ち,内がないゆえにその中に何かを書こうという気が最初から起きないところのもの。 しかしこの変更は,われわれを楽にするためのものではない。旧い強迫は新しい強迫に換わる。即ち,主体を場において語らねばならないという強迫。 |