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2.3 論理



 世界は,「白黒をつける道具立て」としての論理系に表現される。個々の形はそれぞれある論理系の要素である。

 論理系とは,計算システム(計算環境)のことである。世界から形を読み出し,それを計算システムのインプットにしてなにがしかのアウトプットを得る。これをもとの世界に戻し,白黒──真偽,正誤,優劣,善悪,等──の判定値として使う。計算で出たことには文句を言わないというのが,このときの約束になっている。

 ものごとの白黒をつけるための闘いを「決闘」というが,「決闘」で白黒が明らかになるわけではない。白黒が本来ないから「決闘」の導入となる。「形」の運用も同様で,「白黒が本来ないところで白黒が必要になったので,白黒を作為する」という行為なのである。

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