数学的問題解決論では,“good problem-solver”の概念規定が,含意を特定する形式でなされている(註)。
一般に,概念規定の生活実践的な形式は,定義ではなく,含意の特定によるものである。定義の形式の概念規定ができるのは,規範学の場合に限る。
含意の特定による概念規定は,概念の確定にはならない。この形式の概念規定は,将来の含意特定に対して開いている。これが,日常語が更新される仕方である。
(註) 即ち,
- “good problem-solver”[“poor problem-solver"] と見なす対象を観察し,
- その対象の傾向性(“属性")を或る言い回しにおいて導出し,そして
- その言い回しを,“good problem-solver”[“poor problem-solver"] の含意と定める。
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