Up | 「微積分」の意味の概要 | 作成: 2010-10-25 更新: 2010-10-25 |
この数学でどのような応用を想定しているかというと,つぎのものである:
与えられた関数fからこれの導関数f' を導くのは,一つの計算式よって行う。 この操作を「微分」と呼ぶ。 移動の記述において「微分」に対応する概念は,「瞬間速度を求める」である。 与えられた関数fからこれの原始関数Fを導くのは,一つの計算式よって行う。 この操作を「積分」と呼ぶ。 移動の記述において「積分」に対応する概念は,「瞬間瞬間の移動距離を累積する」である。 「微分・積分」の「分」の意味は,「運動を切り分ける」である。 運動を切り分けることで,話がどんなふうに進展するのか? 切り分けた運動を,等速運動に近似する。 こうして,運動全体を「等速運動が合わさったもの」に近似する。 等速運動であれば,小学算数の内容──簡単な内容──になる。 運動の記述が,小学算数でできることを合わせる形で,できるようになる。 数学としての「微積分」は,ここでやっていることの形式化・体系化である。 形式化は,<出処になっている意味──卑近な意味>を消し去ることである。 したがって,純粋に数学的に書かれた「微積分」の書は,意味を自分で補うことができてはじめて,読めるものになる。 そして上に述べたものが,このときの「意味」である。 |