10.4.1 “直接比較”



 二量の大小比較の一つの方法は,二量の大小が何がしかの現象で直接示されるようにすることである。

 例えば,同じ容器に入っている液体のかさを比較するには,容器を隣り合わせて液面の高さを比較すればよい。二つの小石の重さであれば,この小石を天秤の両皿にのせて,どちらが下に降りるかを見ればよい。

 この大小比較に対して“なぜこのようにしてよいか?”と問うことはできない。なぜなら,この大小比較は,当の量の対象化と同じものだからである。──なぜこのようにして比較できるかというと,〈このようにして比較できるもの〉として対象化されたのがこのときの量だからである。

 二量比較のこのような方法は,従来,“直接比較”の言い回しで“関接比較”に対置されている。そしてこのときの“関接比較”は,計算(論理計算)である(§10.9.3)。