11.4.1 単位の組合せによる量表現



 単位を用いた量表現の一つの自然な帰結は,《複数の単位を組合せて表現する》である。“バケツ3杯とコップ40杯とスプーン25杯”のように。

 二つの動機が考えられる:  組合せ的な表現では,言い回しの中に各単位を現わす順番は任意である(註2)。しかしこの順番を固定しても,それだけでは表現は一意にはならない。これを一意にするためには,つぎの規則を導入する:
  1. 与えられている単位のうち,測定値の桁数を最も小さくするものをとり,これで“単位いくつ”と表現する;
  2. このときの余りを,再び,測定値の桁数を最も小さくする単位によって“単位いくつ”と表現する;
  3. 以下この手続きを繰り返す.
この結果,例えば“2年と10か月と3週間と4日と18時間と40分と50秒”のような表現が得られる(この言い回しでの単位の順番は自由)。この手続きに依ったときの量の一意的な組合せ表現のことを,言い回しの簡単のために,以下単に“一意的組合せ表現”と称することにする。

 一意的組合せ表現は,単位数え上げの回数が最も少なくなる測定の仕方と対応している。したがって,単位数え上げの回数だけが量測定の効率の規準になるような場合には,一意的組合せ表現に直接到達することを目指して測定するということになる。

 組合せ表現が一意的組合せ表現へと進むことは必須である。──組合せ表現にもとづく量比較で,一意的組合せ表現の比較でないようなものを,想像してみよ。



(註1) ある単位で“単位いくつ”を求めて余りが出れば,この余りに対し,いまの単位より小さい別の単位で“単位いくつ”を求める;この手続きを繰り返す──この結果は,複数の単位の組合せによる量表現である。

(註2) 例えば,“バケツ3杯とコップ40杯とスプーン25杯”は,“コップ40杯とスプーン25杯とバケツ3杯”と言っても同じ。