11.6 計器



 量を何がしかの仕方で物理的現象に表現(実現)して,この物理的現象そのもの──あるいはそれの元の状態からの変位──で量を捉えるようにするというのが,計器の発想である。

 このときの物理的現象の把捉はさらに,別の量の計測という形でなされる場合もある。例えばバネばかりでは,重さは,長さが読まれる物理現象(バネの伸び)に表現されて把捉される。また自動上皿ばかりでは,重さは,回転角が読まれる物理現象(針の回転)に表現されて把捉される。

 計器は,単位を実際に数え上げる操作である必要はない。計器の上の量表現の各様相(物理現象)に“単位いくつ分”が何がしかの仕方で対応づけられていればよいわけである。

 計器に対しては,測定値を出すことだけが求められることもあるし,測定値が出るまでの経過も併せて示すよう求められることもある。特に,計器にかければ測定値が即デジタル表示される完全にブラックボックス化した計器がいつも誰にとっても最も使い勝手がよいというわけではない。計器においては,ときに,わかり易さ(計測のメカニズムの捉え易さ)ということもそれの重要な要素になる。そこで,完全な自動化を割合廉価で実現することが可能でも,敢えてそのようにはしないということもあり得るのである。