11.8 量の記述



 量を《単位×数》の形式で記述する実践,即ち,
  1. 〈単位〉を定め,
  2. 測定値としての〈数〉を求め,そして
  3. 《単位×数》をひとに受容される形式で記述する
実践が,“測定”であった。

 このとき,《単位×数》をどのようなことばにし,またどのように書くも,自由である。問題は,それがひと(他者)に通用するかどうかである。

 言い回しや表記(例えば,《m(メートル)×3》の言い回し/表記の“3m")を保証しているのは,〈約束〉である。その〈約束〉── 一つの恣意を固定する約束──は,文化の問題に属する。