4.2.10.2 (ND,+,×,≦)の中への(N,+,×,≦)の埋め込み



 (N,+,×,≦)と(ND,+,×,≦)の場合,埋め込みiについてはさらに

m≦n i(m)≦i(n)

が成り立つ(註1)。そこでこのiによって,(N,+,×,≦)を(ND,+,×,≦)の部分(i(N),+,×,≦)と同一視できることになる。言い換えると,iによって,(N,+,×,≦)は(ND,+,×,≦)に埋め込まれる。

 (N,+) が群でないとき,i(N)はND の正元全体と一致し(註2),特にND の負元はあるn∈Nに対する−nである。



(註1) m≦nのとき,i(m)=(m+m+n)−(m+n)≦(n+n+m)−(m+n)=i(n)。

(註2) n∈Nに対し,i(n)=(n+n)−n>n−n=0。また,NDの正元はm<nであるm,n∈Nに対するn−mの形に書けるが,m+k=nとするときn−m=+k=i(k)。