7.0 イントロ



 人の思考──特に,理論生成──の核は,多くの場合,文字ではなく絵である。この意味で,《主題の絵》はつねに数学教育の一等級の課題になっている。

 数/量の絵としては,“数/量直線”が古典的なものである。しかし,現行の指導での“数/量直線”の扱いは,つぎの点で問題がある。

 先ず,“数/量直線”が数/量の絵としてそもそもミス・リーディングだということがある。実際,“数直線”は位としての数の絵であり,“量直線”は位の系の絵である。本来なら,量の絵は,変位の絵として,位を表わす点から点への矢線となり,数の絵は,量の比の絵として,量を表わす矢線から矢線への新たな矢線となる。

 そしてこの問題をさらに深刻にしてしまうこととして,“数/量直線”の生成/構成規則をきちんと指導しないということがある。

 このような認識から,本章では“数/量”の絵について改めて確認しておくことにする。