Up ヒストグラム 作成: 2014-06-10
更新: 2014-06-13


度数分布

    ヒストグラム (柱状グラフ) は,棒グラフの棒が互いに密着したものでない。
    棒グラフは離散型分布のグラフであり,ヒストグラムは連続型分布のグラフである。

    どういうこと?

    関数の積分は,区分求積の極限で定義される。
    区分求積は,関数を階段関数に近似する。
    この階段関数が,ヒストグラムである。
    実際,「ヒストグラム」の主題は,「微分・積分」である。
    ──「ヒストグラム」は,「微分・積分」の初等版である。


    ヒストグラムは,つぎのようになっている:
    1. 階級の幅を,柱の幅に表す。
    2. 階級の度数を,柱の面積に表す。
    柱の高さは,何を表しているか?
    度数の変化率である。
    「柱の高さは度数の変化率」が「度数は柱の面積」と対応している。
    これは,速さの時間変化のグラフで,グラフの面積に距離が表されるのと,同じ理屈である。


    ヒストグラムをつくるときは,ふつう,階級幅を1に考える。
    そしてこのときは,柱の面積と柱の高さが,同じ値になる。
    そこで,「柱の高さが度数を表している」の誤解となる。
    「度数は柱の面積に表される──柱の高さは度数の変化率を表す」をとらえ損ねることになるわけである。




    製品の米袋から米粒100個を抽出し,1粒の重さの平均を求めるとする。
    1粒の重さの階級をつくって,「△グラムから□グラムの間の重さの米粒は○個」のヒストグラムをつくった:


    つくってみて,階級の幅が大き過ぎると感じた。
    そこで,階級幅の細分を行った。


    このとき,各柱の高さはどうなるか?
    つぎのような感じになる:

    階級幅のn等分は,柱の面積のn等分であるから,新しい柱の高さは,平均すれば変わらない。

    しかし,「柱の高さが度数」と勘違いしていたらどうなるか。
    「階級幅をn等分したときの新しい柱は,n分の1の高さになる」になってしまう。
    上のグラフのようにはならないわけである。


    ヒストグラムのロジックは,なかなか理解されない。
    なぜか?
    このロジックは,「連続型」のロジック──「微分・積分」──である。
    そして,「連続型」のロジックは,実際,難しいのである。
    あるいは,カラダになかなかしっくりこないロジックだということになる。