Up 「文字と式」の主題研究の難しさ 作成: 2010-01-19
更新: 2011-10-20


    「文字と式」の学習は,数学の言語の学習である。
    ことばは,いろいろな主題・場面で用いることで習得される。 「文字と式」の学習もこのようになる。 「文字と式」の主題群は,一つの数学的領域を構成するものではなく,いろいろな領域に拡散している。

    「文字と式」がいろいろな領域に拡散していることは,自然なことである一方,教員にとって主題研究を難しいものにする。

    主題研究は,主題の数学的位置づけから始まる。 しかし,数学の力が弱ければ,「主題の数学的位置づけ」を抜かし,そしてこのことに頓着しない。あるいは,抜かしていることを意識できない。 また,主題の数学的位置づけを課題にしていても,数学の力が弱ければ,いろいろ間違いをやってしまうことになる。 そして間違いに気づかない。
    「文字と式」の主題研究は,こんなふうになりやすい。
    そしてこの状態で授業設計に進めば,散漫で意味不明な授業づくりになるほかない。