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「1と見る」がもたらす混沌
量の問題は,「1と見る」を施すことで,数だけの問題に変わる。
量の問題の中には,つぎのものがある:
量と数
量に対する数の倍と,数の積の「×」
量の和と,数の和の「+」
この問題を数だけの問題にしたとき,その数だけの問題の中には,つぎのものが混在することになる:
<量としての数>と数
<量としての数>に対する数の倍「×」と,数の積の「×」
<量としての数>の和の「+」と,数の和の「+」
教員でさえ理解の難しいこの内容が,生徒に教えられるわけはない。
しかし,「数は量の抽象」の立場からの「割合の問題の解法」も,没論理を含みつつも「1と見る」をやっているわけであり,したがって,数の2種類の身分の混在が起こっている。
生徒は,ドロップアウトしないとすれば,この混沌に<慣れる>しかない。