Up ペア分けの場合の数 作成: 2012-07-06
更新: 2012-07-06


  1. つぎの問題を考える:
    2k 本のひもがある:
        
    上辺と下辺のそれぞれで,端を2つずつ結ぶ。
    このとき,全体で1つの環が出来上がる確率Pを求めよ。

    Pは,つぎの数N,Mに対する M/N である:
      (1) このときの結び方は,N通り。
      (2) このうち,全体で1つの環が出来上がる結び方は,M通り。


  2. Pは,つぎの問題のPと等しい
    k 本のひもがある:
        
    端を2つずつ結ぶ。
    このとき,全体で1つの環が出来上がる確率Pを求めよ。

    Pは,つぎの数N′,M′ に対する M′/N′ である:
      (1) このときの結び方は,N′ 通り。
      (2) このうち,全体で1つの環が出来上がる結び方は,M′ 通り。


  3. ひもの端に,つぎのように記号をふる:
        
    N′ は,つぎの N′ と等しい:
      (1) A1, A2, ‥‥, A2k−1, A2k をペアに分ける。
        分け方は,N′ 通り。

    また,m=3のときは,M′ は,つぎの M′ と等しい
      (2) A1, A2, ‥‥, A2k−1, A2k をペアに分ける。
        {A1, A2}, ‥‥, {A2k−1, A2k} のいずれも含まない分け方は,M′ 通り。


    (m=3の場合)

    問題:
    6本のひもがある:
        
    上辺と下辺のそれぞれで,端を2つずつ結ぶ。
    このとき,全体で1つの環が出来上がる確率Pを求めよ。

    解答:
    Pは,つぎの問題のPと等しい
    3本のひもがある:
        
    端を2つずつ結ぶ。
    このとき,全体で1つの環が出来上がる確率Pを求めよ。

    ひもの端に,つぎのように記号をふる:
        
    Pは,つぎの問題のPと等しい
    文字 A, B, C, D, E, F をペアに分ける。
    {A, B}, {C, D}, {E, F} のどれも含まない分け方になる確率Pを求めよ。

    A, B, C, D, E, F をペアに分ける仕方は,つぎの 15 通り:
      {A, B} ─ {C, D} ─ {E, F}
         ─ {C, E} ─ {D, F}
         ─ {C, F} ─ {D, E}
      {A, C} ─ {B, D} ─ {E, F}
         ─ {B, E} ─ {D, F}
         ─ {B, F} ─ {D, E}
      {A, D} ─ {B, C} ─ {E, F}
         ─ {B, E} ─ {C, F}
         ─ {B, F} ─ {C, D}
      {A, E} ─ {B, C} ─ {D, F}
         ─ {B, D} ─ {C, F}
         ─ {B, F} ─ {C, D}
      {A, F} ─ {B, C} ─ {D, E}
         ─ {B, D} ─ {C, E}
         ─ {B, E} ─ {C, D}

    このうち {A, B}, {C, D}, {E, F} のいずれも含まないのは,つぎの7通り:
      {A, C} ─ {B, E} ─ {D, F}
         ─ {B, F} ─ {D, E}
      {A, D} ─ {B, E} ─ {C, F}
      {A, E} ─ {B, C} ─ {D, F}
         ─ {B, D} ─ {C, F}
      {A, F} ─ {B, C} ─ {D, E}
         ─ {B, D} ─ {C, E}

    よって,P=7/15

    註:赤色の部分は,生徒への説明が難しいところである。